エアコンの取り外し、自分でできる?
例えば、引っ越しでもういらないエアコンを取り外すだけなら、自分でもやれそうな気がしますよね。
業者に頼めば費用もかかります。
そこで、今回は、エアコンの取り外しは実際に自分でできるのか、最低でも事前に知っておきたいことを4つ、今回も元家電修理マンのリョウがご紹介します。
エアコンの取り外しって自分でできる?
できるかできないか、で言えば、できないことはありません。
不可能ではありませんが、エアコンの取り外しには、エアコンについて、ある程度知識がないと危険が伴う作業でもあります。
可能な限りプロに任せるのが理想的ですが、どうしても自分で、ということであれば、まず先に知っておきたいこと、手順、そしてデメリットなどについて理解しておくことをおすすめします。
エアコンの取り外し、知っておくべきこと4つ
エアコンの取り外し、やってみようかな?と考えるまえに、最低でも以下の4つのことは知っておくべきです。
・ポンプダウン
・再利用するエアコンなら一人では無理
・面倒、時間がかかる
・怪我の危険性
エアコンの取り外しは、知識があればそれほど難しいことではないのですが、素人が取り組むにはちょっとハードルが高いです。
では、ひとつずつ見ていきましょう。
エアコンの取り外しと「ポンプダウン」
エアコンは空気を冷やすために、ガスを使用しています。
取り外すときに欠かせない作業として、「ポンプダウン」があります。
これは、配管内のガス(冷媒)をすべて室外機に移す作業。
このガス、取り外す前の状態では、室内機、室外機、配管すべてに充満しています。
そこで、それらを全て室外機に閉じ込めないといけません。
そうでないと、取り外す際に冷媒ガスが外に漏れてしまいます。捨てるんだから、ガスなんて漏れてもいいよ!などと考える方もいるかもしれませんが、冷媒ガスというのは、環境に悪いのでむやみに大気へ放出できないことになっています。法律上禁止されています。
冷媒ガスというのは、エアコン購入時も室外機に閉じ込めてあるもの。
この冷媒ガスは、空気に触れると一瞬で気化します。
マイナス40℃でも気化するのです。
配管内に強い圧力を加えて封入されているので漏れると白煙のような霧状のガスが勢いよく飛び出してきます。このガスは引火の危険性はないのですが、一定時間皮膚に触れると凍傷になる危険性もあります。
ポンプダウンの方法としては、リモコンの冷房ボタンを押し、最低設定温度18℃、最大風量に設定をします。冬場は強制冷房で。
ちなみに暖房運転では冷媒ガスの流れる方向が冷房とは逆になるため、ポンプダウンできません。必ず冷房で行います。
もし故障等で冷房運転ができない場合はポンプダウンができませんので、この場合は業者に依頼しましょう。
エアコンの取り外し、再利用するなら二人以上必要
エアコンを取り外して、処分する場合なら、配線や配管を切断してしまえば一人でも作業が可能です。
ですが、エアコンを取り外して再利用する場合なら、ハイア選や配管を外の室外機側から室内へ押し込んでくれる人が必要です。
中から引っ張ると、穴が小さくてひっかかるため、外側から配管や配線を押してあげないと通りません。
また、室内機もそれなりに重量がありますので、それを支えるためにもうひとり人員が必要な場合も。
室内機を外す際にエアコンを傾けると内部にたまった水が床に漏れるので室内機の下に養生をしておく必要があります。
エアコンの取り外しは面倒、時間がかかる
エアコンの取り外しのおおまかな手順としては、
- ポンプダウン
- 室外機にガスを閉じ込める
- 室内機のコンセントを抜く
- 室外機の配管を外す
- 電気配線を外す
- 室内機を外す
- 背板を壁から外す
こういった作業があります。
手間も時間もかかります。
こうした一連の作業に必要な道具としては、
脚立(2台)、ドライバー(1本)、モンキーレンチ(1本)、六角レンチセット(一式)、カッターナイフ(1つ)、ニッパー(1つ)、ペンチ(1つ)、手袋、養生
こうしたものは、取り外しをする前に、全て揃えておきます。
怪我の危険性
エアコンは高所に取り付けしてあるものです。
取り外しの際は、怪我の危険性があることを認識しておきましょう。
冷媒ガスについても、万が一ポンプダウンに失敗して凍傷などになる可能性もありますので、充分に注意が必要です。
室外機についても、高い位置に設置されている場合は業者に頼んでも5~6千円の追加料金がかかることもあります。
危険なので、個人で取り外しをする場合は特に注意が必要です。
また、プロは慣れていますが、自分での取り外しには怪我のほか、壁や床などを傷つけるリスクもあるということを覚えておきましょう。
さいごに
エアコンの取り外し、自分でできないことはないのですが、道具を準備し、十分に注意して行う必要があります。
ちゃんと知識を得て、リスクを理解したうえで取り組みましょう。
実際にチャレンジされる際はある程度詳しい方が監修している状況が望ましいと思います。
どうしても自分でやる場合は、あくまでも自己責任で。
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