銘々皿ってたまに耳にするけど、実際何なの?という方は意外と多いのではないでしょうか。
「銘々皿」とはなんなのか、使い方、マナーなんかもあったりする?形や材質なんかはどうなの?
今回はそんな銘々皿についてのあれこれをご紹介します。
銘々皿とは?
銘々皿とは、手持ちの辞書で調べてみたら、
食物を各自にとり分けて盛る皿
と書かれていました。
「銘々」で調べたら、
おのおのの人、各自、それぞれ
と書かれていました。
なるほど、銘々とは、それぞれに、といった意味なんですね。私は始めて銘々皿って聞いたとき、なんだか有名な方が作って名前が付けられるような立派なお皿様のことを言うのだと思ったものですww
読み方は「めいめいざら」です。
小皿とは違うの?
ひとりずつ取り分けるお皿ということであれば、一般的には「小皿」とか「取り皿」といった表現をしますよね。
ですが、よくよく見回してみると、食器を販売するショップでも、小皿、銘々皿というのは平行して使われているのがわかります。
小皿=銘々皿と思ってよさそうですね。
使い方は?マナーはあるの?
銘々皿がイコール小皿なのであれば、特別に使い方っていうのはなさそうに思いますよね。
ただ、「小皿」ではなく、わざわざ「銘々皿」とかしこまっていうのはどんなときかというと、たとえばお茶をたしなむという場面で「お茶菓子をお出しする銘々皿」なんていうとちょっと特別な感じがします。
そういった場面で使う銘々皿は漆器の上等なものだったりします。
茶道では、素人にはわかりづらい細やかな所作のマナーなどもありますよね。
その一部として、お茶菓子をお出しする際、その種類によっては銘々皿の上に懐紙を敷いたりすることがあります。これは銘々皿に傷をつけないようにといった意味もあるんですって。
ちなみにお客様にお出しするときは、お茶がお客様の右手側に、お茶菓子をのせた銘々皿は左手側に提供します。
お皿を出す向きもお客様から見て美しく見えるような置き方をするよう心がけます。
こんな風にマナーを心がけて大切に扱われる銘々皿と私たちが日ごろ小皿や取り皿と呼んでいるものを実際に並べてみれば、やはり銘々皿と小皿ってイコールじゃないよね、なんてご意見も聞こえてきそうです。
ですが銘々皿にはお菓子を提供するだけではなく、料理を取り分けたり、前菜を載せたりといった様々な用途にも使われます。
銘々皿ってあまり馴染みの無い言葉ですが、お皿の中でも、使用頻度が高く、私たちにとっては実は身近な食器だということがわかりますね。
銘々皿の形や素材に決まりはあるの?
銘々皿は、丸いもの、ってなんとなく固定観念で決め付けている方もいるようですが、何も丸いものだけという決まりはありません。
楕円のものもあれば、四角いものもあります。
最近では板状のプレートなんていうのもよく見られますね。
素材も、陶磁器や漆器のほか、ガラスや木製、珍しいところでは錫(すず)製や石目の銘々皿なんていうのもあります。
銘々皿といってもその種類には様々なものがあり、場面に応じてこうした形、素材を選ぶ楽しみもあるんですね。
銘々皿って言葉、一体誰が使うの?
銘々皿がどんなものか、なんなのかはわかったけど、この言葉、一体誰が使ってるの?って思いませんか?
私もここまで40年以上生きてきて、実際目の前で「銘々皿」って、言葉を誰かが発する場面を見たことがありません。
ですが、私の年代、またはそれ以上の方々に聞いてみると、「銘々皿」って当然ながら知ってるよ!って方がいるかと思えば、「銘々皿」って言葉は知ってて聞いたこともあるけど、実際それが何なのかちゃんと説明できない人もいたり。
それにしても、なんでこんな普段使われない言葉がたくさんの人の耳に届くのか、消えてなくならないのか、不思議だと思いませんか?
たとえばこのブログの名前は「あずかりしる.ブログ」だけど、このあずかりしるって言葉も普段はあまり使わない言葉ですよね。
時代劇なんか見てるとたまに「拙者のあずかり知らぬことにございます」な~んて感じで使われてたりするかな?
だから、まぁ今すぐ消えて無くなるってことはなさそうですよね。
「銘々皿」という言葉は、食器や漆器に携わる方々、茶道をたしなむ方々、冠婚葬祭などの儀式に携わる方々などが使っているから今も消えずにあるのでしょうね。
今回は「銘々皿」でしたが、こういう言葉の使われる場面、場所、使うときの様子などを考えてみると、意外と楽しい発見があるものですね。
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