冷蔵庫の故障って普段なかなか体験することがないですけど、実際壊れてみると結構大変です。
中に納めた食料品、全部だめにしてしまったり、故障しちゃったら場合によっては買い替えだってあるし。
冷蔵庫の中身をいざ整理するとなると、その中身も多くて予想以上に手間がかかります。いや、ほんと大変なんですよ、意外とあれやこれや入ってるんです、冷蔵庫って。
かといって、「年数も年数だし、もしかしたらそろそろ壊れるかも」なんてことで、壊れてもいない冷蔵庫を買い換えるのもね。
せめて、もうそろそろ壊れるかもよ~、ってサインが少しでも早くわかればいいんだけど。
そこで今回は、冷蔵庫が壊れる前兆について、また、その原因や修理費用などの情報を、元家電修理マンのリョウがご紹介します。
冷蔵庫が壊れる前兆、ふたつ
冷蔵庫が壊れる前兆として挙げられるのは、ふたつ。
- 異音がする
- 冷えない
このふたつです。
冷蔵庫から異音がする
冷蔵庫の音というのは、コンプレッサーとファン、製氷機から発しているものです。
ですが、それぞれの位置というのは、なかなか素人にはわかりにくい部分。
冷蔵庫のコンプレッサーというのは、冷蔵庫を冷やすためのガスを圧縮し、循環させています。
冷蔵庫のファンには、庫内に冷気を送るための冷却ファンとコンプレッサーの熱を逃がすための放熱ファンがあります。
コンプレッサーと放熱用のファンは、冷蔵庫の背面底部についています。見た目には、カバーがしてあるので、そのまま見えるわけではありません。
冷蔵庫の背面には、一定のスペースが必要なのは、このコンプレッサーやファンからの熱がこもってしまうのを防ぐため。
また、ここにある通気口がホコリ等でふさがってしまっても、故障につながります。
説明書等に設置スペースについての注意事項が記載されているので、その指示通り、壁との間にスペースを確保することが大事です。
冷蔵庫、コンプレッサーからの異音
異常があったときの音は素人で判断するのはなかなか難しいのですが、「ブーン」という大きな音がしていたらコンプレッサーに過大な負荷がかかり故障しているかもしれません。
コンプレッサーの修理となると、修理費用が5万円程掛かります。
通常、10年も使用すると配管内の冷媒が細い管の部分で詰まりを起こし正常に圧縮できなくなることがあります。人間でいったら動脈硬化を起こしたようなものです。
冷蔵庫の本体は通常1年保証ですが、コンプレッサーの故障というの5年の保証があるので、年数が浅い場合は、保証書などを確認してみましょう。
コンプレッサーの故障と間違えやすいものとして、コンプレッサーの振動防止のためについているゴムの劣化で、異音がすることもあります。
冷蔵庫、放熱ファンからの異音
放熱ファンはコンプレッサーのすぐ近くや背面上部などに付いています。ただ埃が詰まって異音がしているだけという場合もあります。
異音がしていても動いていたら支障はないのですが、そのままにしておくと故障の原因になりますので、早めに掃除や修理を依頼して下さい。
冷蔵庫内、冷却ファンからの異音
冷蔵庫内のファンから異音がする場合は、冷却ファンが故障している可能性大です。修理を依頼しましょう。
原因としては、
- ファンモーターの故障
- 羽根の軸ずれ
- 大量の霜着き
などが原因と思われます。
霜は、一定時間経過すると着くものです。
ある程度霜が着くと自動的に庫内のヒーターで融かしています。
ですが、温度を測るセンサー、ヒーターやタイマーなどが故障すると、自動で霜が融かせず冷却ファンが氷の壁にぶつかり異音が発生する場合もあります。
メーカーや機種、大きさ等に
より原因は一概には判断できませんが、修理代は部品交換した場合、1.5~2万円ぐらい。
ただし、冷却ファンはコンプレッサーと同じく冷蔵庫本体とは違って5年の保証がありますので、購入後5年以内で純粋なファンの故障であった場合は無償修理できます。
通常、冷却ファンというのはドアを開けると止まります。
ドアを閉めると押されるスイッチがあります。ファンの音が聞こえにくい場合はドアを開けた状態でドアSWを指で押してください。押している間はファンが回ります。(マグネットSWの場合は簡単にはいかないのでここでは説明を省きます)そうやって間近で音を聞けば異音に気づけるかもしれません。
※自動霜取り機能付きの冷蔵庫は霜が着くと自動で霜取りします。
自動霜取りをしている間というのは、コンプレッサーもファンも停止し音がしなくなります。霜取りにかかる時間は30分から3時間程度です。霜取り動作中は異音以前に音がしません。故障ではないので注意して下さい。
冷蔵庫が冷えない
冷蔵庫が冷えない場合、実は故障ではない、というケースもあります。まずは先にそちらをご紹介しましょう。
故障ではないケース
食品の詰め込みすぎ
食品を入れすぎて冷気の出口を塞いでいる。
よくあるのがビニール袋が庫内奥の通気口にへばりついて冷気が循環しなくなっているケースです。通気口を塞いでいる異物を除去すれば改善します。
冷凍室の扉がしっかり閉まっていない。
これには2つの原因があります。
1つは食品を詰め込み過ぎて冷凍室のケースの後ろ側に食品が落ちて挟まっている場合です。隙間が出来ると冷えません。そのまま何もしないとドアの隙間から外の湿気が入りドアの枠に氷の幕ができ、氷で固まり、ドアが開けづらくなるはずです。
この場合ケースごと冷蔵庫本体から外し後ろに落ちているものを取り除けば解決します。
2つめはパッキンが外れている場合です。
パッキンを嵌めなおすかゴムが劣化している場合は交換依頼して下さい。
故障が考えられるケース
冷蔵庫が冷えないのか冷凍庫が冷えないのかで故障個所が違います。調べ方はまず冷凍庫のものが凍っているか、融けているかを確認しましょう。
冷凍庫のものが少しでも融けて軟らかくなっていたらアウトです。これが一番分かり易いんです。温度計があったら測ってみて下さい。冷凍庫は正常な状態で、マイナス18℃からマイナス20℃ぐらいです。
冷凍庫が冷えない場合
コンプレッサーが故障している可能性があります。10年近く使用していたら致命的な故障です。買い替えをお勧めします。
コンプレッサー以外の故障だったら2万円ぐらいで修理できる可能性が高いと思います。
野菜室、冷蔵室が冷えない場合
冷凍室は冷えているけど冷蔵室及び野菜室が冷えない場合、まずは冷却ファンが回っているのか確認できればして下さい。
殆どの冷蔵庫は冷凍室から冷却ファンを通して冷蔵室と野菜室に冷気を割り振る構造になっています。
ですので、冷却ファンが回らなければ冷凍室が冷えていても冷蔵室や野菜室が冷えないという症状が現れます。
その時は、冷蔵室や野菜室の食品を腐らないように冷凍室に移しておき修理依頼してください。冷蔵室の正常な温度は2~6℃、野菜室の温度は3~7℃です。
さいごに
冷蔵庫の故障の前兆として、わかりやすいのは、異音と冷えないという症状です。
故障原因はここまで開設したもの以外にも、基盤の故障や温度センサーの故障などもあります。
一般的に利用者側で確認できるのは、音と温度。
ディスプレイにエラーコードや温度が表示される冷蔵庫でしたら正常な温度範囲にあるのか普段から確認するようにしておけば、小さな変化にもいち早く気付くことができます。
もしエラーコードが表示されており修理依頼が必要だと感じたらコンセントは抜かないで下さい。コンセントを抜くとエラーコードが消えてしまうので修理する際、業者が故障箇所を特定しづらくなります。
冷蔵庫の故障の前兆を知っておけば、速やかに修理を依頼するなど、いざというときにもいくらか対処がしやすいと思います。
ご参考になれば幸いです。
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